2018年に読んだ漫画・小説に関して

 今度はアマゾンの履歴を見て、漫画や小説に関して感想を。

 特筆していない漫画は、最新巻か最終巻まで読んでいます。

 

・ちいさい言語学者の冒険

 とても面白い本だった。言語の不思議さ、子供の特性、いろんなものを知ることが出来る。知的好奇心が満たされる本。

 

辺獄のシュヴェスタ

 6巻で完結したことは嬉しいけれど、そこまでの出来ではない。この人の短編はそのどれもが完璧に近い出来なので、余計に厳しくなってしまう。

 

・青のフラッグ

 最近、よくあった正三角関係の話から、本来の自分とは、性別とは、みたいにテーマが拡大していっている。変なハプニングで引き延ばすよりは、テーマを拡大していって、描写を広げていくこの方式の方が好み。新刊をいつも楽しみにしている。

 

・人生に生きる価値はない

 この人の本はタイトル詐欺なんだよな。普通に社会に適合しているし。考え方としては近いものがるので、忌避感は抱かないのだが。

 

・幸せについて

 流石に古すぎて、幸せの定義がめちゃくちゃに。でも、逆を言えば、それぐらい流動性のあるものなのだ、幸福というものは。

 

・代償のギルタオ

 少し昔に大量生産されたラノベという感じ。超能力×ロボットはまだ可能性があると思っているのだけれどなぁ。わざわざ読む価値はない。

 

・彼方のアストラ

 とても良かった。物語が適度に複雑で、少年漫画の上限という感じ。宇宙の生態系があくまで地球上の発展、IFと言った様子で、そこは流石に勉強・想像不足だと思ったが。でも、とても良い、素晴らしい作品です。ヒロインが裏切り者だと1巻の時から思っていて、見事に裏切られた思い出。ラノベ・エロゲの文法と少年漫画の文法は違います。

 

・<わたし>はどこにあるのか

 意識についての最新科学。とても良い本だった。ここの仮説はおそらく、今の時点で最も真実に近い仮説なのだろう。ゆえに、この本を読んでしまった人は、二度と死後や魂などという妄言を信じることは出来なくなる。

 

・茶の世界史

 コーヒーと双璧を成す世界的飲料の歴史。どうして、イギリスでは紅茶の方がコーヒーより優勢なのか、といったような疑問に答えられるようになる。チャ系の発音とティー系の発音があり、交易路の違いがある、なんて話は好奇心が満たされてうっとりする。

 

・ゲームウォーズ

 「レディ・プレイヤー1」の原作。映画の方が面白いので、映画を観ましょう。正直、コンティニューコインは映画のやり方で渡された方がよほど良かった。鍵と門という二つの条件があるせいで、ぶれてんですよね、話の目的が。

 

・ペット リマスター・エディション

 比較的趣味の合うフォロワーの人が最高の漫画だと言っていたので。僕には合いませんでした。退屈な作品。

 

・アフターアワーズ

 完結して良かった。終わり方が性急だとしても。1巻の感じが特に好きなんですよね。徹夜明けの朝焼けは、どうしてかくも綺麗なのか。

 

・北北西に雲と往け

 ああ^~アイスランドに行きたくなるんじゃ~ 日本で社畜をしている僕ですが、本当は世界の果てを目指して旅をしたいのです。あ、この話、後でちゃんと書こう。作中の世界に憧れてしまうなぁ。

 

・知られざる皇室外交

 実際、みんな知らないと思うんですよね。僕もそうだったので、平成の終わりを機会に買って読みました。皇室による外交は、政府と性質が違うがゆえに、非常に価値がある。単純に、それは日本の利益になるんですよ。天皇は本当にすげえや。素直に人として尊敬しています。

 

・リウーを待ちながら

 朱戸アオ先生の作品はリアリティレベルの設定が本当に素晴らしいんですよね。リアルでありながら、物語としての盛り上がりもつくるという感じで。名作です。医療系漫画では、朱戸アオ先生の作品と「フラジャイル」が個人的二強。

 

・幸色のワンルーム(~2巻まで)

 なんか、色々話題になっちゃいましたね。そこまでの作品でもないのだけれど。こういう作品、割と増えたなぁ。なんか、主人公もヒロインも不幸で、歪んだ関係が構築されて、というのがキャッチーなのもあると思うんですけれど、今のオタクにとって、こっちの方がリアルというか夢見られるのでは、と思いましたね。ちゃんと考察はしてないので、適当言ってますが。

 

少女終末旅行

 ついに終わっちまったか。この巻で傑作になりましたね。今までは心地よい終末で二人旅といった様相だったのに、この巻では一気に終わってしまった世界の現実を押しつけられる。一応、いろんな解釈が出来るエンディング周りもとても優秀だと思います。連載時と違いがあり、それで大きく解釈が変わるのだとか。僕も終わってしまった世界で果てを目指して旅してぇな。

 

・魔法医師の診療記憶

 よもや、僕だけしか読んでいないのでは、と錯覚してしまう作品。傑作なのに……外連味がありながらも、理論的なこの感じは、僕の趣味にマッチしていて、とても好きなんだけれどなぁ。ファンタジーとSFが上手く接合しているのですよ。たとえば、この作品ではデュラハンが出てくるのですが、彼らは腸で思考する生物と設定されているのですよね。首より上がないので。で、彼らは主にケンタウロスデュラハンとして登場するのですが、それは馬は腸が長いからなんですよ。こんな具合がすっと続く感じです。手代木正太郞、覚えていて損はない名前ですよ。

 

・生誕の災厄

 僕にマッチした哲学者。彼の考え方は、すこしキリスト教に汚染されている部分があるにせよ、非常に正しく、僕に似通っている。なぜ、もっと早く読まなかったんだろうと思いました。

 

・五等分の花嫁

 キャラクターのかわいさは特筆に値するが、流石に話に飽きてきた。ラブコメ、苦手なんですよね。退屈なので。

 

・フラジャイル

 これ、とても良い作品だと僕は思っているのですが、どうでしょう。なんか、人間としての苦悩とか、死生観とか、そんな重いテーマが適切に展開されていて、飽きが来ないし、心に来ることが多い。感情を揺さぶられる作品です。

 

放課後さいころ倶楽部

 本当に素晴らしい作品なんだよなぁ。ボードゲーマーの必読本。ボードゲームの簡潔な紹介からストーリーラインに絡めて、みたいな非常に高度なことをコンスタントに行っている名作。ただのボードゲーム紹介漫画になってないのがすごい。

 

・レストー夫人

 個人的にとても才能のある作家だと思っている。この作品自体は、そこまで優れた作品ではないと思うが、センスが抜群。新刊を常に追っていきたい。

 

・入門! 進化生物学

 言うほど、進化生物学でもないような。割と偏っている感じがあるので、鵜呑みにするのは危ないなぁという感想。

 

・爆発的進化論 1%の奇跡がヒトを作った

 新しい知見が手に入らなかったのが残念。断片的な知識が、少しだけ体系化された。

 

・まなざしの地獄

 犯罪者というのは、ある意味での障害者、病気の人であって、その症状として犯罪を犯してしまうのがよくわかる。やるべきは、懲罰ではなく、治療ですよね、本当に。

 

・ヒトの進化 七〇〇年史

 ホモ・サピエンス以前のヒト科の知識というのは、なかなか良い本がなくて手に入りにくいので、これは抜群に良かった。相対的に、ヒトというのが特別な存在ではない、ただの動物だってことが良くわかりますね。

 

・言ったよきいちゃん!

 地味に好きだった。こういうギャグ、割とツボってしまう。作品のオチも良くて、こういうの、好きなんですよねってなってしまった。

 

・天(16~18巻)

 最後だけ読めばいいと勧められて。本当に素晴らしかった。たとえ、三流でも熱く生きたいよな、僕も。ちょっとだけ、オカルトによっているのが残念だけれど。まあ、僕の魂とか死後の世界とか嫌いはちょっと障害入っているんで、気にしないでください。

 

・あやめとあまね

 この人の作品は好き。シュールさと、それに似合わぬ物語の構成の緻密さがとても良い。僕が読んだ中での最高傑作は「ヴォイニッチ・ホテル」です。

 

・シロアリ 女王様、その手がありましたか!

 性別とか繁殖とかが単純に子孫へ受け継がれていく生命の連鎖だと思っている人は、この本を読めばいいよ。そんなに単純じゃないってわかるから。まあ、生存に有利な場合、いくら奇妙に見える形態でも現在に続き、進化していくという意味では実にシンプルな原理が働いているのだけれど。

 

・されど愛しきお妻様

 僕も妻も社会に適合できるタイプの人間ではないので、非常に身につまされた。出来ないものは出来ないんですよ。脳がそうなってしまっているので。それを認めて、許す心を持ちましょう、お互いに。これを参考に生きていきたいですね。少しだけでも、その試みが成功していると思いたい。

 

・錦田警部はどろぼうがお好き

 割と話のつくりが面白い。一部で人気になり、絶版だったのに完全版が発売することに。Twitterさまさま。本当にいい時代だ。僕が買った時は、紙でプレミアついていたので、電子書籍で購入しました。思えば、この時から電子書籍に移行し始めた。

 

・不朽のフェーネチカ

 名作・オブ・ザ・名作。僕はこの人にこういう作品を期待している。必要十分の要素だけで構築された、とても素晴らしい漫画。こういう短編だけを買えるのもまた、電子書籍の強み。

 

ジェフ・ベゾス 果てなき野望

 ジョブズなんかの影に隠れているよなぁと思って。アマゾンの驚異的な戦略が良くわかる。僕はここで働きたくないですね。こういう大企業のCEOって障害者だと思うんだよね。養子が多かったりするし。普通の感覚で生きていない。リスクとメリットが釣り合っていないのに、努力を無限に続けられるのだもの。アマゾンが顧客を第一に考えているのは、単純にベゾスが多くの人々から認められたいという承認欲求から来ている側面もあると思う。

 

・アスペル・カノジョ

 僕の妻は流石にここまでではないです。社会が上手くない人、どうしても親近感が湧いてしまって、楽しく読めてしまうんですよね。

 

・人類と気候の10万年史

 これ、僕の中ではかなりパラダイムシフトの起きた本の一つ。特に大きかったのは、気候が安定していない場合、狩猟採集の方が農業よりも安定して食料を確保できるという仮説だった。一種に依存しないので、気候がどうなっても、別種の食料源を確保できるからだ。確かに、どう考えてもそれが理にかなっている。各地で同じ時期に農業が始まった理由にもなる。素晴らしい。

 

・もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞

 まだ研究が進みきっていなくて、仮説ばかりなのはちょっと残念。しかし、この主張は正しい可能性が高いだろう。今まで、ニューロンばかりが注目されて、グリア細胞が見向きもされなかった方がおかしいのだから。

 

・来世は他人がいい

 う~ん、ちょっとこの人の作品は合わないなぁ。キャラクター造形は好きなんだけれど、物語の構造が弱く感じてしまう。

 

青野くんに触りたいから死にたい

 ホラーの方向に行ってしまって残念。次巻は買わないでしょう。

 

・足摺り水族館

 panpanyaさんの絵と世界観、視点がとても好き。僕は「動物たち」が一番好きかな。不思議系、アート系かと思って読まず嫌いでいた。ごめんなさい。素晴らしいです。

 

・ブルーピリオド

 美術系で少年漫画しているという感じ。感情の描写が好き。

 

・怒りのロードショー

 なんかこの荒唐無稽感が好きなんですよねぇ。1巻で終わりかと思ったら、2巻が出て草生えた

 

金剛寺さんは面倒臭い

 割と漫画史に残るのではと思っている。この構造と描写はとても希有で、素晴らしい。

 

・あなたの知らない脳 意識は傍観者である

 とても良い本。意識とか精神とかを特別視している人はこれを読みましょう。後付けで物語を紡ぐぐらいしか、僕たちの意識っていうのは出来ないんですよ。この世は科学的な原則に支配されている。諦めましょう。

 

私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い

 僕が知っていたワタモテとは異なる作品になっていると聞いて、全巻読んでしまった。類型的なキャラクターがいるところが少し気になるが、ネモゆり辺りがいい味を出していると思う。死にかけた作品が甦る姿を見た。

 

・Roid

 しろしさんは同人時代から好き。この作品も設定が白眉で、アンドロイドの要素を上手く女の関係性に組み込んでいる。想像以上に良かった。

 

・1518!

 夢を諦めざるを得なかった人たちの青春。こういう、普通の人にしかなれなかった人々の物語が来ると思っていたのだけれど、ブームの寸前で止まっているという印象。きっと、チャンスですよ。この作品も素晴らしいので、参考にどうぞ。

 

・映画大好きポンポさん2

 ザ・名作。今年一番の漫画。前作があんなに綺麗にまとまっているのに、続巻なんて商業主義に屈したか? と思った人は土下座しましょう。本当にごめんなさい。続編について言及するところから始め、人々に求められていることと作品の出来との話から、映画勝負に、最後のポンポさんの台詞。全てに穴がない。文句なしの完璧な作品。とても素晴らしい。

 

・Mortal Engines

 オーストラリアで表紙に惹かれてしまったので読んだ。それが地獄の始まりだと知らずにね。英語で読もうと頑張ってしまったのが全ての始まり。人生で二番目ぐらいに時間かけて読んだ本。一番は「モンテ・クリスト伯」。最後の台詞がとても良かった。

 

・全滅脳フューチャー!!!

 なんか、こういうのは望んでないんだよなぁ。相対的に「電気サーカス」が神の領域に足を突っ込み始めた。感想を調べてみたら、オタクは現実の暴力と違法行為と相性が悪いみたいな言及があって、そんな視点もあるのかと思った。反証をいくらでも知っているのがあれだけど。

 

・君に愛されて痛かった

 刺激的な展開をすれば面白いと思っているのでは? と思ってしまいますね。

 

・実録 泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。

 性自認がマゾヒストの同性愛者の男性であるとわかったという話が出てきて、そういうのも実際にあるのだろいう確証が得られた。物理的には女性。実は、そういうヒロインをある作品で登場させようと思っていたので、色々参考になった。「レズ風俗~」もそうだけれど、僕は他の人がどんなことを考えて生きているのか、とても不思議に思って生きているので、こういうのが好きみたいだ。

 

・なんで生きてるのかわからない人 和泉澄25歳

 むしろ、わかる人いるの? 狂人じゃん、そんな人。それはそれとして、この作品はとても良いですよ。起伏はないと言えばないですが。社会不適合者にオススメ。

 

・銀河の死なない子供たちへ

 物語はとても良かった。残念なのは、結局、最後は死ぬ可能性はあるとしても、旅に出るのだ! エンドになってしまったところ。僕はその先の物語にこそ、興味があるんですよね。むしろ、それを僕が書けばいいのか?

 

・アタシのセンパイ

 思ったよりは面白くなかった。そして、センパイがやばい奴すぎた。

 

左ききのエレン

 どうして、こんなにストーリーラインがめちゃくちゃなのか。全く効果的ではないし、感情が迷子になり、作品に興味が無くなっていく。下手くそ。

 

・Dr.STONE

 科学を少年漫画にしたら、こうなるという見本。かなり似たような話を考えたことがあったが、絶対にこんな面白い作品に出来なかった。本当に面白い。これに触れて、子供たちが科学に興味を持ってくれれば一番良いですよね。

 

・私は君を泣かせたい

 なんか途中で他の組の喧嘩が始まるの草 僕は主人公とヒロインの関係、百合だと思いますけれどもね。

 

・邦画プレゼン女子高生 邦キチ!映子さん

 めちゃくちゃ面白かった。映画レビュー系漫画で一番好き。半分クソ映画ハンターになってるのがアレだけれど、話の作り方とか、映画のレビューとかが的確で良い。僕の観ている映画は洋一のそれとほとんど一致していたので、僕は洋キチ派です。

 

・手を伸ばせ、そしてコマンドを入力しろ

 う~ん、作者の文体とか考え方とかが合わないから、その辺が出てくると本当に苦痛なんだよね。経験自体は興味津々なんだけれど。これだけ小説の勉強して、これなんだからな。やっぱり、文学はセンスですわ。瀬戸口廉也の足下にも及ばない。

 

・天駆せよ法勝寺

 色々ずるいんだよ、この作品。でも、面白いです。仏教スペースオペラって発想が素晴らしいよ。格好いいし。

 

・総合タワーリシチ

 キャラクター多すぎでは? でも、主人公とヒロインの関係性が素晴らしかったので、気にならなくなった。秀才型の主人公と天才型のヒロインという話をまさに「あの娘にキスと白百合を」のメインでやっているので、百合テンプレなのか? と思いました。とても好きです。

 

・電遊奇譚

 「手を伸ばせ~」の人のエッセイ。小説ではないので、気持ち悪さがちょっとはマシ。ゆえにこっちの方が好きかな。本当に経験は面白いんだよ。経験は。

 

やがて君になる

 シェイクスピアが女性で同性愛者なら、これを書いていたという感想を見かけた。その通りだと思う。本当に好き。この作者さんの同人を、初めての本から追っていたことがわかり、興奮した。それぐらい、隠しきれない才能がある。

 

やがて君になる 佐伯沙弥香について

 薄々感づいていたけれど、僕は入間人間の文体が好きではないようだ。それでも、十分に面白かった。アニメでこの短編のフォローみたいな描写が入って、テンション上がった。原作でも登場してたかなぁ。後で確認しよう。

 

・同居人が不安定でして

 僕もしっかりさんに甘えたいです。残念ながら、僕の家には僕よりもしっかりしていない人間がいて、大変なことになっている。この作品はかなり良かったですね。僕も一緒に住むために家を買ってくれるような人と一緒に同居したかった……なお、現実。僕は周囲の視線よりも自分のやりたいことを優先するタイプで、妻は親しくない人の印象を気にするタイプなせいで、家の中にいる時と外とで、しっかりしている方が逆に見えるという不具合が。こいつ、まともなこと言ってますけれども、家の中ではやばいですよと伝えていきたい。

 

 ここまでは追えました。七〇〇〇文字って……くー、疲れてました。これにて完結です。

 今年はとても良い年でした。今まででも一番に近いぐらい、楽しかった年だと思います。地球上の皆様、これからも何卒よろしくお願い致します。